アクティブレストで筋肉痛を早く治す

 

アクティブレストとは、ごく軽い運動によって疲労の回復を促す方法です。

 

日々のトレーニングで疲れがたまったときや、辛い筋肉痛の回復に効果的。

 

運動習慣を継続するためにも、疲労の回復は重要なテーマであり、そのためには様々な回復法を知っておく必要があります。

 

今回は、アクティブレストの効果についてご紹介します！

 

アクティブレストは、軽い運動で血流を促す

アクティブレストとは、日本語では「積極的休養」と言われ、運動による疲労を”軽い運動”によって回復する方法です。

 

なぜ軽い運動に疲労の回復効果があるのか？

 

それは、運動が「血流を活発にする」からです。

 

運動によって全身の筋肉が動けば、当然それに合わせて心拍数も上がり、血液が全身に行き渡るようになります。
これによって、新たな栄養や酸素を全身に巡らせ、疲労の回復を促すというものです。

 

言うまでもありませんが、アクティブレストのために行う運動で疲労してしまうようでは逆効果です。
そのため、アクティブレストで行う運動は、全身がほのかに汗ばむ程度の”ごく軽い強度”に留める必要があります。

 

具体的には、ウォーキング、サイクリング、ラジオ体操、ヨガなどが挙げられます。

 

アクティブレストの効果

アクティブレストによって血流量が増えることで、第一の効果は「栄養が全身に行き渡る」という事です。
疲労した身体は、当然たくさんの栄養を求めているのであり、栄養の運搬は出来るだけ速やかに、無駄なく行われた方がいいはず。

 

さらに、食事の後の消化器による食物の分解も、軽い運動を行うことで促進されることがわかっています。
よく、お腹いっぱい食べた後に「腹ごなしの散歩」が推奨されますが、食事の後にアクティブレストを行うことでも、消化を促進して栄養の運搬効率を高めることが出来るのです。

 

運動によって筋肉を酷使すると、筋肉内には様々な代謝物質が溜まっていきます。
代謝物質の代表的なものと言えば”乳酸”ですね。

 

筋繊維に蓄積された乳酸が増えていくと、筋肉の炎症が広がり、疲労回復が阻害され、傷みを伴う癒着が起きたり、その部位に発痛点が形成されたりしてしまいます。

 

これを防ぐには、筋肉にたまった乳酸を洗い流し、その代わりに栄養と酸素を送り込む必要があります。
アクティブレストによって血行が促進されれば、疲れた筋肉にたまった乳酸を洗い流して、素早い回復を促すことが出来ます。

 

なお、血流量の増加によって、筋肉だけでなく”脳”に溜まった疲労物質も洗い流す事ができます。

 

疲れて頭が働かない、ぼーっとしてしまう、やる気が出ない、、
こんな時に太陽の下を少し散歩してみると、不思議なくらい気分が晴れた経験は誰にでもあるんじゃないでしょうか。

 

筋肉の柔軟性とは、筋肉の弾性ともリンクしており、要するに筋肉の柔らかさ、しなやかさと言えます。

 

アスリートがスランプに陥った時、ウェイトトレーニングの重量が停滞したときなど、調子が上がらない時というのは、筋肉の柔軟性が失われていたり、固く萎縮してしまっていることが多いと言われています。

 

アクティブレストによって血流量を増やし、筋肉をリラックスさせることで、この柔軟性を取り戻してパフォーマンスを高めることが出来ます。
なお、アクティブレストによって筋肉を温めたら、その後にストレッチも加えてあげれば、なお効果的です。

 

コルチゾールとは、代表的な”ストレスホルモン”です。

 

身体が疲労し、ストレスを感じた時に多く分泌されるホルモンで、強力な”カタボリックホルモン”としても知られています。
コルチゾールは、身体をストレスに対抗するためのモードに変えてしまいます。

 

ストレスに対抗するには、出来るだけ多くのエネルギーを確保する必要があります。
ストレス状況下なのに、筋発達などしている場合ではありません。
コルチゾールは、筋肉を分解してエネルギーを取り出してしまうのです。

 

屋外で日光を浴びながら、アクティブレストのための軽い運動を行っていると、心身のリラックスによって脳内でエンドルフィンというホルモンが分泌されます。
このエンドルフィンは、ストレスを和らげてコルチゾールの分泌を抑える働きがあります。

 

日光を浴びることによって、エンドルフィンの分泌だけでなくビタミンDの合成も促すことが出来ます。
パフォーマンスの停滞を感じたら、ぜひ屋外でアクティブレストをしてみるべきですね。

 

アクティブレストは筋肉痛の回復に効果的

血流量を増加させて栄養の運搬を促し、疲労物質を洗い流して、筋肉の柔軟性を改善する。

 

このような効果を持つアクティブレストは、「筋肉痛」を早く治すのに有効です。

 

ただし、筋肉痛にも度合いがあって、あまりにも痛みがひどい場合は、動かずに安静にしていた方が良いでしょう。
その段階を過ぎて、「まだ痛みが残ってる」くらいのレベルになれば、アクティブレストで軽い運動をするだけで痛みが無くなってしまう事はよくあります。

 

筋肉痛は、筋繊維の炎症の他に、代謝物質の蓄積も原因のひとつ。
この代謝物質がアクティブレストで洗い流されるだけで、痛みが消える場合もあるのです。

 

また、筋繊維を修復するためには、酸素と栄養をたくさん送り込むことが重要。
このため、アクティブレストは筋肉痛や筋肉疲労の回復には、高い効果があるのです。

 

身体に疲れを感じた時は、日光の下を散歩してみましょう。
全身が温まる頃には、気分が良くなって疲れも忘れているかもしれませんよ。