ロコモティブシンドロームとサルコペニアの違いとは?予防のために必要なこと

ロコモティブシンドローム,サルコペニア

 

高齢化社会の日本において、特に問題視されている『ロコモティブシンドローム』『サルコペニア』

 

この2つ、名前は聞いたことがあると思いますが、それぞれどのように違うのか良く分かりませんよね。

 

ロコモとサルコペニアはどう違うの?
有効な予防法は?

 

今回は、ロコモティブシンドロームとサルコペニアについてご紹介します。

 

ロコモティブシンドロームとは?

ロコモティブシンドロームとは、日本語では「運動器症候群」
略称は「ロコモ」と言い、日本整形外科学会が2007年に提唱した概念です。

 

運動器とは、呼吸器、感覚器、循環器などと並んで人間の身体を構成する重要な器官の総称。
具体的には、、

 

・筋肉
・骨
・関節
・軟骨
・椎間板

 

などが挙げられます。
これらのいずれか、または複数に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態を「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」といいます。

 

ロコモティブシンドローム,サルコペニア

画像出典:ロコモチャレンジ

 

立つ、歩くが上手く出来なくなる運動器の障害は、要介護、要支援に直結するため、厚生労働省の調査によると、『要介護になる原因』の第一位はロコモティブシンドロームとなっています。

 

ロコモティブシンドローム,サルコペニア
厚生労働省『平成23年国民生活基礎調査』

 

全体の23%、約4人に1人はロコモで寝たきりになっているのです。

 

ロコモティブシンドロームのチェックリスト

・片足立ちで靴下を履くことができない
・家の中でつまづいたり滑ったりする
・階段を上がるのに手すりが必要
・家事のやや重い仕事が困難
・2kg程度の買い物を持ち帰るのが困難
・15分以上続けて歩けない
・横断歩道を青信号で渡りきれない

 

これらが当てはまったら、ロコモティブシンドロームの可能性があります。

 

ロコモティブシンドロームの自己診断

下の動画は、ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトで公開している、ロコモティブシンドロームガイドムービーの一部です。
ロコモ度チェックの、立ち上がりテストと2ステップテストを行ってみましょう

 

サルコペニアとは

サルコペニアとは、日本語では「筋肉減少」
ギリシア語のSarx(筋肉)とPenia(減少)を組み合わせた造語で、1989年にアメリカの学者アーバイン・ローゼンバーグが提唱した概念です。

 

サルコペニアは「加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下」として定義されており、つまりサルコペニアとはロコモティブシンドロームの一部だと言えます。

 

サルコペニアは単に筋肉の減少によるものですが、ロコモティブシンドロームは筋肉だけでなく、骨、軟骨、椎間板などの問題も含んでいます。

 

しかし、高齢者が寝たきりになる原因のひとつである「転倒による骨折」などは、直接的には”骨”の問題ですが、そもそも転倒しやすくなるのは”筋肉”の問題が多いので、サルコペニアはロコモティブシンドロームの中でも最も重要なウェイトを占める問題と言っても過言ではありません。

 

ロコモティブシンドローム,サルコペニア

サルコペニアの診断方法

サルコペニアの診断は、筋肉量・歩行速度・握力を測定して行います。
以前は欧米人の診断基準しかありませんでしたが、2014年にアジア人のための診断基準がまとまりました。

 

人間の筋肉は70歳までに、20歳代に比較すると骨格筋面積は25〜30%、筋力は30〜40%減少し、50歳以降は毎年1〜2%程度筋肉量は減少すると一般にいわれています。
この時、最も衰えが顕著なのが、太ももの筋肉である大腿四頭筋と、手先の握力に関係する筋肉だと言われています。
このため、ロコモのチェックリストでもあったような、、

 

・横断歩道を青信号で渡りきれない
・階段の昇り降りに手すりが必要

 

このような歩行の力の他にも、、

 

・ペットボトルやビンのフタを開けられない

 

というような、握力の低下によっても、サルコペニアの兆候が診察できます。
具体的には、握力は「男性で26kg以下」、「女性で18kg以下」になると、サルコペニアと診断される場合があります。
健康長寿ネット

 

ロコモ・サルコペニアの予防法は?

サルコペニアを含むロコモティブシンドロームは、高齢化社会において「健康寿命」を短くする最大の要因となっています。

 

日本人の平均寿命は世界トップクラスと言われていますが、一方で平均寿命と健康寿命の乖離が問題化しています。

 

健康寿命とは「日常的に介護が必要なく、自立した生活が送れる寿命」のこと。
現在、日本人の健康寿命は、平均寿命より男性で9年、女性で12年も差があります。

 

つまり「日常的に介護が必要で、自立した生活を送れない」期間が9年〜12年もあるのです!!
これは自分の問題だけではなく、介護負担、保険料負担となって社会を圧迫します。

 

ただし、ロコモ・サルコペニアの特徴は「可逆的」であること。
つまり、重篤化しないうちに早期から予防対策をしておけば、十分に回復できるし、予防も出来るのです。

 

今のところ、サルコペニアの対策には「運動療法」「栄養療法」の2つのアプローチがあります。

 

運動療法とは、文字通り日常的に運動をすること。
筋肉は運動によって鍛えられることは誰でも知っており、運動しなければ衰えていきます。

 

毎日1時間程度散歩するだけでも良いので、運動する習慣を付けることが重要です。
加えて、筋力トレーニングという点では、ジムに通って筋トレを行う事が非常に有効。
森光子さんも、晩年まで毎日スクワットを行っていた事が有名ですよね。

ロコモティブシンドローム,サルコペニア

 

栄養療法は、運動療法に比べるとおろそかにされがちです。
しかし、いくら運動しても、筋肉の材料となる栄養がなければ、筋肉はつかないのです。

 

厚生労働省の「平成25年国民健康・栄養調査報告」によると、日本の高齢者は、70歳以降になるとタンパク質の摂取量が急激に減少する傾向にあるようです。
タンパク質は筋肉の最も重要な材料であり、タンパク質の摂取が減ると、筋肉がつかないばかりか、どんどん衰えてしまいます。

 

しかも、高齢者には筋肉細胞でのタンパク質同化抵抗性が高くなっているという問題があります。
簡単に言うと、タンパク質から筋肉を合成しにくくなっているため、若年者よりも多くのタンパク質が必要になるという事です。
日本内科学会雑誌 104巻第2号

 

ロコモティブシンドローム,サルコペニア

 

一般的には、高齢者の筋肉維持に必要な1日のタンパク質量は、体重(kg)×1gと言われています。

 

体重50kgの人の場合、1日に50gのタンパク質が必要ということ。
これは、サーロインステーキで250gくらいの量。
高齢者がこれだけの量を食べるのは、なかなか大変ですよね。

 

このため、高齢者が手軽にタンパク質・アミノ酸を摂取できるサプリメントが、各メーカーから発売されています。
味の素の「アミノエール」や再春館製薬所の「長白仙参」などが有名ですね。

 

ロコモティブシンドローム,サルコペニア

これらのサプリを活用すれば、食の細くなった人でも効果的に筋肉の材料となるアミノ酸を摂取することが出来、運動との相乗効果でサルコペニア・ロコモティブシンドロームを予防することが出来ます。

 

筋肉は食べてすぐにつくものではありませんが、着実に育っていきます。
続けていくことが何より大切です。
ロコモティブシンドロームを予防し、健康で快活な老後のためにも、今から”貯筋”を始めましょう!


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