筋肉の緊張時間を伸ばして筋トレの刺激を変える!「CTTS法」とは

筋トレ,CTTS

 

人間の体は、与えられたストレスに対して適応しようとして、成長していきます。

 

これは筋肉に限った話ではなく、日常的に摩擦や紫外線などのストレスを受けている部位の皮膚が分厚くなったり、体毛が濃くなっていくのも同じ。

 

一日中デスクに手をついてキーボードを打っていると、肘が黒ずんで来たり毛が濃くなってきたり、
また、筆者の経験から言うと「サッカー部はすね毛が濃くなる」というのは、間違いなくあるあるだと思います。

 

筋肉を強く成長させたいと思ったら、その筋肉に対して「負荷」というストレスを与え続け、そのストレスに対して適応するように成長させていかねばなりません。

 

つまり、筋肉はストレスに対して「適応」するのです。
よって、いつまでも同じようなストレスでは筋肉は慣れてしまって成長が止まります。

 

筋トレを始めた最初の頃は、面白いように身体が成長し、ウェイトの重量も増やしていくことが出来ました。
しかし、最初に始めたメニューも数ヶ月続けていくと、なかなか成長を実感しづらくなってきます。

 

それはあなたの身体がストレスに適応して成長した証でもあり、さらなる成長を求めるなら、より強いストレスをかける必要があります。

 

筋トレ,CTTS

筋肉に与えるストレスを増やす最も単純な方法が「ウェイトを増やす」というもの。
今まで自重のみで腕立て伏せなどのトレーニングをしていた人も、重いダンベルを買う、ジムに行ってバーベルやマシントレーニングをするなど「ウェイトを増やす」事でさらなる成長を得ようとします。

 

その一方で、なかなかジムに通うことが出来なかったり、経済的な問題でダンベルを買えなかったりなど、「ウェイトを増やす」ということが難しい環境の人もいます。

 

また、トレーニング経験が数年以上になってくると、身体が完全に筋トレに適応してしまって、単純にウェイトを増やすだけでは反応が鈍くなってくることもあります。

 

そういった方にとって、ウェイトを増やす以外の方法で筋肉へのストレスを増やす方法が、「筋肉の緊張時間を伸ばす」というもの。

 

筋肉は収縮することで力を発揮する器官であり、収縮しているだけでエネルギーを消費しています。
ならば、その収縮時間をできるだけ伸ばすことが、筋肉にとっても強いストレスとなるのです。

 

この「筋収縮時間」を意識したトレーニング法として「CTTS法」を紹介します!

 

CTTS=一定張力の時間設定

アメリカのフィットネストレーナーであるヴィンス・デルモンテ氏が提唱しているCTTS方は
「Constant Tension Timed Sets」の略で、直訳すると「一定張力の時間設定」

 

CTTSのやり方は至ってシンプルで、決められた種目のセットを考えるとき普通は「10回3セット」のように「回数」で考えるところを、「20秒3セット」のように「時間」で考えるというもの。

 

CTTSでは「腕立て伏せ20秒」と言ったら、タイマーを使って20秒間止まらずに腕立て伏せを行い続けます。

 

このとき重要なポイントが「関節をロックしない」ということ。
つまり、「上げきらない・下げきらない」事を意識し、一瞬たりとも筋肉から負荷が抜けないようにします。

 

腕立て伏せでは、腕を伸ばしきったトップポジションでは筋肉ではなく骨で身体を支えている事になり、筋肉からは負荷が抜けています。
また、下げきって胸が床ついた場合、もしくは関節の可動域の限界まで下げた場合などもやはり、筋肉ではなく関節の張力によって身体を支えているため、負荷が抜けてしまいます。

 

CTTSでは、「20秒3セット」と決めたら、20秒間筋肉を収縮させ続けることが重要です。

 

回数で決めてしまうと、どうしても一回ごとに負荷が抜けてしまったり、回数をこなすことばかり考えてフォームが崩れてしまいがち。
それを「時間」で決めることで、筋肉に休む時間を与えない強いストレスをかけることが出来るのです。

 

筋トレ,CTTS

収縮時間が伸びることによるストレス

筋肉から負荷を抜かず、長い時間収縮させ続けることは、筋肉にとって非常に強いストレスとなります。

 

筋肉が強く収縮すると、周囲の血管が圧迫されて血流量が制限されます。
すると、筋肉には新鮮な酸素や栄養が送られなくなり、元々筋肉内に蓄えられていた資源だけで運動を続けなければいけません。

 

例えば「腕立て伏せ40秒」でCTTSを行ったとします。

 

「40秒も続けられるなら有酸素運動では?」と思うかも知れませんが、それは間違い。

 

「有酸素運動」と「無酸素運動」の違いは、単純な運動時間の違いではなく、使用するエネルギーの違いです。

 

人間の筋肉を動かすエネルギー供給回路には

 

・クレアチンを燃やす「ATP-CP系」
・糖質を燃やす「解糖系」
・酸素と脂肪を燃やす「有酸素系」

 

の3経路があり、このうちATP-CP系と解糖系の2つが「無酸素運動」です。
無酸素運動では、その名の通り酸素を必要としません。

 

筋肉が緊張し続けることで血管が圧迫されて酸素が供給されない状況では、筋肉内では必然的に無酸素系のエネルギーしか使うことが出来ず、時間が長くなるほどエネルギーが少なくなって運動が苦しくなります。

 

つまり、自宅で重いウェイトを使えない場合でも、CTTS法なら無酸素系の速筋を限界まで追い込むことが出来るのです。

 

だからといって有酸素系の遅筋の方が全く鍛えられないという事ではなく、わずかながらでも供給される酸素を使って遅筋も必死に働きます。
つまり、遅筋にとってもいつもよりエネルギーが少なくて強いストレス下にあるため、CTTS法は速筋も遅筋も一緒に鍛えられるトレーニング法と言うことが出来ます。

 

乳酸の蓄積で筋合成を促進

CTTS法によって筋収縮時間を伸ばすことのもう一つのストレスは、「老廃物が洗い流せない」という事です。

 

筋肉に流れ込む血液は、筋肉に新鮮な酸素と栄養を供給するだけでなく、筋肉内で発生した老廃物を回収するという重要な役割も持っています。

 

解糖系によって筋肉内で糖質が分解されると、その代謝物質として乳酸が大量発生します。
現代の研究では、乳酸は疲労物質では無いことが分かっていますが、代謝物質であることには変わりません。

 

そして、筋肉内に大量の乳酸が溜まることが、筋肉に対すストレスの指標となり、筋合成反応が高まることがわかっているのです。

 

つまり、
運動すると筋肉に乳酸がたまる

筋肉内の乳酸が多い=強い運動をしている

身体が筋肉を発達させようと反応する

 

筋肉内の乳酸は、このような生理反応を引き起こすものだと言うこと。
筋緊張時間を伸ばして筋肉内に乳酸を溜め込むことが出来ます。

 

相当激しい運動をしないと溜まらない量の乳酸を、CTTSなら効率的に溜めることが出来ます。
つまり、身体に「相当激しい運動をしている」と錯覚させることで、筋肉の発達を促す事が出来るのです。

 

筋トレ,CTTS

CTTS法のやり方

動作中は関節をロックしない

繰り返しになりますが、CTTSで最も重要なのは「伸ばしきらない・曲げきらない」こと。
動作中ずっと筋肉から負荷を抜かないというのは、最初のうちは分かりづらいかも知れませんが、続けていくうちに感覚がつかめてくるはず。
呼吸を止める必要はありませんが、筋肉は常に緊張しつづけている状態でトレーニングを行います。

 

目的に合わせた時間設定

ウェイトで負荷を調整できる場合、CTTS法でもウェイトの重量を目的に応じて調整します。
一般的には、、
・筋力アップ=10秒〜20秒
・筋肥大=20秒〜40秒
・筋持久力=40秒〜60秒
で設定します。

 

週単位で時間を伸ばす

最初は20秒程度で設定して始めたら、週単位で5秒づつ伸ばすことを目標にストレスを増やしていきます。
同じウェイト量であっても、時間が伸びるほどに負荷は増していくはず。
最終的に65秒まで続けられたら、何らかの方法でウェイトを増やしていきましょう。

 

70秒以上出来てしまうような場合は、おそらくやり方が不味くて途中で負荷が抜けてしまっているでしょう。

 

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CTTSは筋トレの有効なバリエーションのひとつ

筋肉の緊張時間を長くするCTTS法は、数ある筋トレの中でも有効なバリエーションのひとつです。

 

重たいダンベルなどを用意できない自宅トレ派の方などは特に取り入れてもらいたいやり方で、確実に今までとは違った刺激を得られるはず。

 

ただし、これはあくまでも「バリエーションのひとつ」であって、CTTSだけをずっとやっていても、いずれは筋肉は適応してしまいます。

 

CTTSが他のトレーニング法に比べて特別優れているという訳ではなく、あくまでも身体に新鮮な刺激を与える方法として行ってみてください!


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