ヘム鉄はアスリートの味方!鉄分不足にご用心!

ヘム鉄

アスリートにとって致命的とも言える「貧血」

 

特に鉄分不足に陥りやすい女性は、貧血への注意が必要です。

 

単に「鉄分」を摂ろう!と言っても、鉄分には「ヘム鉄」「非ヘム鉄」の2種類があることをご存知ですか?

 

2つのうち、進んで摂りたいのは「ヘム鉄」の方!

 

今回は、ヘム鉄の特徴と効果についてご紹介します!

 

鉄分不足で起こる症状

「鉄」は、ビタミンA、ヨウ素とならんて、世界の三大欠乏微量栄養素と言われており、日本も例外ではありません。

 

特に、月に一度の月経で大量の鉄を失う女性の鉄分不足は深刻です。
さらに、日常的に運動をしているとなると、鉄分の需要量も大きくなるため、女性トレーニーにとって鉄分補給は死活問題なのです。

 

鉄の体内での役割は、血液中で酸素を運搬する赤血球の材料となることです。
赤血球は、その構造の99%が鉄とタンパク質からなるヘモグロビンで出来ています。

 

鉄分の不足は赤血球の不足に直結し、酸欠によるめまいや息切れ、動悸、筋力の低下による疲れや倦怠感、脱力感など様々な症状が現れます。

 

また、鉄は酸素を運ぶ赤血球の材料となるだけでなく、その酸素からエネルギーを産生するクエン酸回路においても重要な役割を果たしています。

 

人間の細胞内では、ミトコンドリアが酸素と脂質、糖質などを燃料としてクエン酸回路を回すことでエネルギーを生みだしています。
>筋肉を動かすエネルギー源|3つのエネルギー経路とは

 

このクエン酸回路にも、鉄は欠かせない成分です。
クエン酸回路が正常に機能しなければ、当然エネルギーの産生も低下し、エネルギー不足による疲労感、倦怠感などの症状が現れてきます。

 

鉄不足はすぐにはわからない

鉄を原料とする赤血球は、身体中に酸素を運ぶという極めて重要な役割をしています。

 

このため、身体には赤血球不足に陥らないような防御機構が備わっているのです。

 

実際に赤血球の材料として働いている鉄である「機能鉄」とは別に、機能鉄が不足した場合に備えて肝臓や脾臓などには「貯蔵鉄」が蓄えられています。
機能鉄が不足した場合は、この貯蔵鉄が切り崩されて補給されていきます。

 

このため、鉄不足はすぐには自覚できず、貯蔵鉄も枯渇するような段階になって上記のような身体の不調が出てきます。
しかし近年の研究では、貯蔵鉄が減り始めた段階で、不定愁訴やうつ傾向など精神面の影響が出ることが報告されています。

 

吸収されやすいヘム鉄

ここまで鉄が不足してしまう要因として、鉄の「吸収しにくさ」があります。

 

鉄は単体ではタンニンなどの成分と反応しやすく、不溶性の成分に変化してしまうため、体内に入っても吸収されずに排出されてしまいます。
このため、鉄分が豊富と言われるひじきやほうれん草などを沢山食べても、実際に吸収されている鉄は非常に少ないのです。

 

ひじき、ほうれん草、小松菜などに含まれる植物性の鉄は、「非ヘム鉄」と呼ばれます。

 

一方、肉類などに含まれる動物性の鉄で、タンパク質と結合するものを「ヘム鉄」と言います。

 

ヘム鉄は、鉄の周囲をポルリフィン複合体という膜で覆われており、他の成分と反応せずに吸収されやすいというメリットがあります。
非ヘム鉄とヘム鉄の吸収率の差を比較した実験は多数あり、ほとんどの場合で5倍以上の吸収率を示しています。

 

また、ポルリフィン複合体で覆われたヘム鉄は、むき出しの非ヘム鉄に比べて胃や腸の内壁を傷つけにくいとも言われています。

 

これらのメリットから、進んで取るべきなのは動物性の「ヘム鉄」の方だと言われているのです。

 

ヘム鉄が多く含まれる食材
食品名 100g中のヘム鉄量 食品名 100g中のヘム鉄量
煮干し 18.5mg 鰹節 5.5mg
干しエビ 15.1mg しじみ 5.3mg
豚レバー 9mg 鮎の焼き魚 5.5mg
鶏レバー 7mg イワシの丸干し 4.4mg
鶏卵黄 6mg ホッキガイ 4.4mg

 

上記を見ればヘム鉄を多く取れる食材はわかりますが、レバー類を除けば100gも食べることはほとんどない食材ばかり。
いくら含有量が多くても、そもそも食べる量が少なければ摂れる量も少なくなってしまいます。

 

このように、高濃度でヘム鉄を含んでいる食材が少ないことも、鉄不足の原因のひとつとなります。

 

鉄の吸収を阻害する成分

体内で鉄と反応して吸収を阻害する成分としては、タンニン、フィチン酸、シュウ酸などがあります。

 

緑茶やコーヒーには、タンニンが多く含まれるために腸内での鉄の吸収を妨げます。
お茶やコーヒーを飲む場合は、、鉄の摂取から30分ほど空けるなどの工夫が必要です。

 

フィチン酸やシュウ酸は玄米、ほうれん草、ひじきなどに多く含まれています。
これらの食材は鉄分が豊富なことでも知られていますが、同時に鉄分の吸収を妨げる成分も豊富なのです。
しかも、ほうれん草やひじきの鉄分は、影響を受けやすい非ヘム鉄ですから、吸収率は非常に下がってしまいます。

 

トレーニーはサプリメントでの鉄分補給を

ヘム鉄

厚生労働省によると、鉄分の1日の必要摂取量は成人男性で10mg、成人女性では12mgとなっています。

 

しかし、定期的に高強度の運動をしている人は、鉄の消費量が増え、さらに運動の溶血作用などによって排出量も増えるため、この目安の30%増の量が必要といわれています。

 

日本人の一般的な食生活では、この量を満たすことは不可能に近いため、大幅に食事を見直すか、もしくはサプリメントでの補給を心がけましょう。

 

鉄分は、運動に必要な酸素の運搬、エネルギーの産生に欠かせない成分です。
鉄分不足による貧血は、単に競技パフォーマンスを低下させるだけでなく、日々のトレーニングを続けられなくなったり、快活な日常生活を送れなくなったりなど様々な弊害をもたらします。

 

快適なトレーニングライフを送るためにも、鉄分は意識して摂るようにしましょう!

 


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