HMBが筋肉を増強するメカニズムとは?mTOR伝達経路について知っておこう!

HMB,筋肉

 

話題の筋トレサプリである「HMB」

 

HMBサプリの広告はよく見ますが、そのHMBが何故筋肉を増強するのか?についてはイマイチ良くわかりませんよね。

 

HMBの体に対する作用は色々あるのですが、今回はその中でも特に重要な「mTORシグナル伝達経路」についてご紹介します!

 

mTORシグナル伝達経路とは

mTOR(エムトアー)とは、哺乳類などの動物で細胞内シグナル伝達に関与するタンパク質キナーゼ(セリン・スレオニンキナーゼ)の一種。
mTORは、複数のタンパク質による複合体(complex)を形成し、複合体はmTORCと呼ばれる。
インスリンや他の成長因子、栄養・エネルギー状態、酸化還元状態など細胞内外の環境情報を統合し、転写、翻訳等を通じて、それらに応じた細胞のサイズ、分裂、生存などの調節に中心的な役割を果たすと考えられている。
インスリンやアミノ酸が豊富に存在するとmTORは活性化され、リボソームにおけるmRNAの翻訳を促進しタンパク質合成を増加させるとともに、オートファジーを阻害しタンパク質の分解を抑制する
Wikipediaより

 

難しい専門用語が多いですが、専門的な事は置いておいて要約すると、

 

mTORは筋肉合成のスイッチ

 

であると言えます。
mTORシグナルが伝達経路に乗って身体の各細胞に伝わることで、細胞はタンパク質の同化を始める、つまり筋肉が増強するのです。

 

ですから、mTORシグナル伝達経路のスイッチを入れること、入れ続けることはトレーニーにとって超重要で、これが無ければ筋肉の発達はあり得ないのです。

 

HMB,筋肉

mTORシグナル伝達経路を活性化する方法

筋力トレーニング

mTORシグナル伝達経路を活性化する一番の方法は、筋肉を酷使する筋力トレーニングです。
筋力トレーニングによって筋繊維が損傷し、筋肉内のグリコーゲンが大量に消費されて、筋肉は栄養を欲する状態になります。
これに反応してmTORシグナルが活性化し、損傷した筋肉を修復するためにタンパク質の同化が開始されるのです。

 

ロイシンを身体に満たす

mTORシグナルは細胞へのタンパク質同化を促進するスイッチです。
タンパク質とは身体の中では、分解された”アミノ酸”の状態で存在しており、筋肉の材料となるアミノ酸は20種類あります。

 

その20種類のアミノ酸の中でも、最も重要なのが”ロイシン”です。

 

mTORは、このロイシンの血中濃度に敏感に反応します。
ロイシンはアミノ酸の中でも必要量が多く、ロイシンの血中濃度=アミノ酸濃度と言っても過言ではありません。
そして、このロイシンの血中濃度が低い状態ではmTORの反応は非常に鈍くなります。

 

筋肉は身体にとって必要不可欠なものですが、生きていく上では臓器、脳、エネルギーなどのほうが筋肉より重要です。
体内のアミノ酸が足りていないのに、筋肥大などしている場合では無いのです。

 

mTORが活性化して筋肥大が起こる条件としては、体内のアミノ酸が十分に満たされている必要があります。
20種類のアミノ酸の中でも、特にロイシンの血中濃度が非常に重要なので、筋トレをするのであればタンパク質が多めの食事を摂ってロイシンを十分に満たしておく必要があります。

 

HMBを摂取する

筋力トレーニング、十分なロイシンという二つの前提を満たした上で、さらにmTORの働きを活性化するのがHMBです。
HMBは、mTORシグナル伝達経路を強力に活性化する作用が認められています。

 

そもそもHMBとは、ロイシンが体内で作り出す物質ですので、ロイシンがあれば多少のHMBは体内で作り出されているはずです。

 

しかし、ロイシンのHMB生成率はわずか5%
20gのロイシンを摂って1gのHMBが生成されるのです。

 

このため、「HMBがたくさんある=ロイシンがたくさんある」と身体は判断するので、ロイシンと同じようにmTORシグナルを活性化すると考えられています。

 

多くの実験で、1日3gのHMB摂取で、mTORシグナル伝達経路が活性化し、筋肉の合成促進、そして分解の抑制効果が認められています。

 

HMBを1日3g生み出すにはロイシンを60gも摂らねばならず、これは経済的にも胃袋的にも現実的ではありません。
このため、HMBはサプリで摂取するのが推奨されているのです。

 

ロイシンについては、「タンパク質」と言われる食材ならば何にでも入っていますので、タンパク質補給の食事で十分に摂取することが出来ます。

 

HMB,筋肉

「HMBがあればプロテインは要らない」は間違い!

最近、HMBサプリの宣伝文句として

 

「HMBがあればプロテインは要らない」

 

と謳っているものありますが、これは間違いです。

 

今まで見てきたように、HMBは「筋肉合成のスイッチを入れ続ける」効果があるものであって、「筋肉の材料になる」事は出来ません。

 

筋肉の材料になるのは、プロテインに含まれるアミノ酸です。
いくら合成スイッチを入れても、材料がなければ筋肉は増えません。

 

天才建築家がいても、建材が無ければビルは建ちません。
天才監督がいても、選手がいなければ試合は出来ません。

 

これと同じで、いくらHMBを飲んでも、そもそも材料となるタンパク質が無ければお金の無駄です。

 

ですから、タンパク質摂取が足りていないと思ったら、HMBだけではなくプロテインの摂取も必要です。

 

ただし、普段の食事で十分なタンパク質(体重1kgあたり1.5g以上)を摂れているなら、わざわざプロテインは必要ありません。

 

プロテインとHMBの違いをしっかり理解し、効率的な筋肉増強を目指しましょう!


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